予測市場について
予測市場についての解説や歴史、これまでの実績を紹介します。また、Shuugi.inをやる上で、公職選挙法との兼ね合いについても説明します。
予測市場とは?
予測市場とは、仮想の株式市場を設置し、そこでの取引情報をもとに、ある事例についての将来の予測を行う手法のことである。 予測市場の利点としては、次の二つが挙げられる。一つはone-shotでなく何度も取引されることで、予測にフィードバックがかけられ、状況の変化に柔軟に対応できる点である。もう一つは人数が少なかったり、参加者の属性に偏りがあったりしても正確な予測ができるといわれている。
このように、予測市場とは、株式市場のような市場原理を用いて、みんなの予測をまとめて行きながら、将来の予測をしていく手段です。
これは、集合知を用いた方法で、代表的な書籍:みんなの意見は案外正しい
など様々、議論されています。そして、この集合知による予測は時として少数の専門家による予測よりも優れた結果を出すことが知られています。
一方で、単なる予測ツールとしてのみだけでなく、予測対象そのものに関心を呼び起こすある種のゲームとしても注目することができます。
予測市場と金融・先物
株式や証券を良く知っている方なら、デリバティブ(金融派生商品)のひとつのである、先物取引と仕組みの面では同じと言ってよいでしょう。
つまり、ある商品(予測市場なら、テーマ)に対して、定められた期間の間に価格が上がるか下がるかを予測して売買するわけです。
ちなみに、先物取引の歴史は、大阪の米相場が発祥といわれています。→堂島米会所
先行事例
(海外、主にアメリカ)
- 1988年Iowa Electronic Marketの実験開始(アイオワ大学よる米大統領選をテーマにした予測市場)(*1 The End Of Management? - TIME
)
- 1996年 Hollywood Stock Exchange(HSX)
- 1990年代後半~2000年初頭
- Intrade.com
(1999),NewsFutuers
(2000) サービス開始 - 企業内での意思決定のためのツールとして、予測市場の導入が進む
- Hp(ヒューレット・パッカード)(1999)、BP(ブリティッシュ・ペトロリアム)、フォード、シーメンス・オーストリア、マイクロソフト、イーライ・リリーなどへの導入事例
- Intrade.com
- 2003年 国防総省高度研究計画局(DARPA)テロを予測する先物市場の創設を計画したが上院の反対で断念
- 2004年 このころから、海外において、予測市場への関心が高まってくる
- Iowa Electronic Marketによる米大統領選の予測が的中(*2 H-yamaguchi.net: 米大統領選市場をふりかえる
)
- Iowa Electronic Marketによる米大統領選の予測が的中(*2 H-yamaguchi.net: 米大統領選市場をふりかえる
- 2005年
- Hollywood Stock Exchange(HSX)によるアカデミー賞の予測において、8部門全ての予測が的中
- 米Yahoo!が予測市場のサービスを開始

- Googleが社内で予測市場を使っていることを公表
(日本)
- 2005年
- はてなアイデアβサービス開始(4月)
- 総選挙はてな(8月)
- 2007年
- 都知事選予測市場2007(4月)
- predection.jp
サービス開始(11月)
(これまでの佐藤研での取り組み)
アイオワ・エレクトロニック・マーケット(IEM)
アイオワ大学のビジネススクールにおいて、予測市場の実験を1988年に世界で初めて行った市場です。アメリカ大統領は誰になるかを予測しています。当時の実験でも、予測を的中させ、大きな注目を浴び、予測市場の名を広げました。その後も市場は現在まで続けられ、何度も予測を的中させています。
ハリウッド証券取引所(Hollywood Stock Exchange)
ハリウッドの役者や映画を銘柄に見立てて、その評価を取引する市場です。中でも、毎年のアカデミー賞を受賞するのは誰かを予測する市場は有名で、2005年はアカデミー賞の取引にあがっている全8部門の予測が全て的中した実績があります。(H-yamaguchi.net - 予測市場でみるアカデミー賞:8部門全て的中!
)
Hp(ヒューレットパッカード)、Google、Yahoo!などの企業における導入事例
企業内に予測市場を設けて、新商品のアイデアや、主力となる商品を社員で予想しあって、マーケティングに生かしていきます。 Hpは、同社が開発した予測市場のソフトを社員が使って、メモリ価格を予測した。結果は、既存の方法よりも約40%予測精度が向上したのである。また、ある部門の営業利益についても予測実験をしたが、こちらも予測市場のほうがより確実に未来を当てています。 Googleでは、社員の予測精度をランキングとして公表し、人事評価に組み込まれている。また、米Yahoo!では、予測市場と併せて、独自通貨も開発しています。
このように、現在は海外の企業において、様々な場面で予測市場が使われようとしています。(「みんなの意見」の活用法―IT企業が導入する予測市場の成果 - CNET Japan
)
sangi.in
佐藤研究室が、今年(2007年)の夏に行った、参議院議員選挙の各党の獲得議席数を予測する市場をはじめ、マニュフェスト検索、投票エージェントなど様々な参院選に向けたアプリケーションを公開しました。このときの予測市場の結果は、野党勝利を的中させ、議席数も、28日12時の価格と開票の結果は、ほぼ同じ議席数でした。これは、ほかの多くの世論調査とほぼ同じ程度の正確さでした。また、市場を安定させるため、セット売買の方法を取り入れています。
また、sangi.inの取り組みは、様々なメディアから紹介され、好評を得ました。
もっと、知りたい方は・・・
H-yamaguchi.net/
【用語】予測市場 -ミスターマーケットの気まぐれ-
Prediction_market -Wikipedia
上記の記事を見ていただければ、予測市場の世界、理論、これまでの事例がわかると思います。
中でも、h-yamaguchi.netの山口浩先生のブログでは、予測市場の解説や事例が紹介してあります。
メディアからの注目
アメリカでは、既に予測市場はビジネスベースで展開されていますが、最近は日本でも注目が集まってきています。
Shuugi.inのメディア掲載情報
Shuugi.inも様々なメディアに取り上げていただいています。 衆院選への関心とともに、予測市場への注目も集まるでしょう。
公職選挙法との兼ね合いについて
日本の公職選挙法には、人気投票の公表の禁止という条項があります。
公職選挙法 第138条の3(人気投票の公表の禁止) 何人も、選挙に関し、公職に就くべき者(衆議院比例代表選出議員の選挙にあつては政党その他の政治団体に係る公職に就くべき者又はその数、参議院比例代表選出議員の選挙にあつては政党その他の政治団体に係る公職に就くべき者又はその数若しくは公職に就くべき順位)を予想する人気投票の経過又は結果を公表してはならない。
しかし、予測市場と人気投票は全く違うものです。
予測市場とは、参加者の予測を聞いているもので、意見・主張を聞いているものではありません。つまり、参加者集団の予測をまとめているにすぎません。
また、恣意的に市場を操作しようとするプレイヤーがいたとしても、市場参加者が多数いて、市場原理がしっかり働いていれば、淘汰されます。
詳しくは、山口浩先生のブログをご覧ください。→http://www.h-yamaguchi.net/2005/08/post_9e67.html#more
今後の予測市場研究について
今後、佐藤研究室は、予測市場研究を進めるに当たって、共同研究をして下さる方を募っています。 詳しくは、こちらをご覧ください。
